最近はクライミング

まもなくクライミングを始めて1年が経つ。最初のうちはインドアジムで人工的な壁を登る練習から始めた。まずは基本的なロープの使い方、体の動かし方を習う。ケアレスミスが命取りになりかねない遊びである。一つひとつ、丁寧に習い、覚えていく。その次は高所恐怖症の克服である。4、5メートルといったって、見上げるのと見下ろすのではわけがちがう。上に登ると足がすくむ。壁を掴む手に力が入る。半日も壁に向かっていると、指先がジンジンしてくる。人工岩の表面は、目の細かいやすりみたいなものである。

外岩に行くと、ジムとは次元の違う恐怖がある。岩は自分を拒んでいる。ジムのように手掛かりや足掛かりも明示的ではない。覚えなければならない道具やロープワークも増えてくる。先輩を見真似て、わずかな岩の窪みや出っ張りに足を乗せる。クライミングシューズを信頼して立ち込むのだ、とアドバイスが下から飛んでくる。上から体をぶら下げてくれるロープを信じて少しずつ高度を上げていく。
8回くらい外岩を登るようになって、少しだけコツを掴んできた。怖いから下は見ない方がいい。上を見て、体を岩に貼り付ける。剥がれていると重心が後ろに流れてしまい、落ちないようにするのにより大きな力が必要になってしまう。靴のグリップ力も少しずつわかってくる。どういう時にスリップするのかも体感として得られるようになる。
この競技の欠点として、基本的には一人では遊べないということが挙げられる。下でビレイしてくれるパートナーを見つけること、岩場まで行かないと遊べないことが、一人で気軽にできるマラソンやサイクリングとは異なる。

にもかかわらず、クライミングも習慣化しつつある。ハイキング、ランニング、マウンテンバイキング、サイクリングに新しい遊びが加わった。春の陽気になって体も軽い。ローテーションを組んで、肉体が躍動するのが楽しい。

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