バンクーバーで1週間

6月のバンクーバー、早朝はまだまだ寒かった。日本でいえば3月くらいの気温で、薄着で外に出ると背筋にゾクッとしたものが走る。ダウンタウンのホテルに宿泊していたので、北に向かえばカナダ・プレイスの港の景色を見ながら、南に向かえばまだ目を覚ます前のキツラノの街中を、西に向かえばスタンレーパークの海岸沿いを走ることができる。ジョギングコースには事欠かない。
その前の週に滞在していたアメリカのワシントンD.C.に比べると日の出が早い。4時には空が白み始め、5時には活動ができる明るさになる。仕事の前に走ると時差ボケが治りやすい、ということもやってみてわかった。

1週間の滞在期間中、毎日コースを変えて走ってみた。朝日が登ってくるところを写真に撮ったり、カフェに立ち寄って珍しい名前のコーヒーで朝食を食べたりしていると、現地で生活をしているかのような錯覚に陥る。知らない人が、自分と同じようにコーヒーを注文し、顔中ピアスだらけの店員と一言、二言かわして店を出ていく。バンクーバーは留学生も多い。UBCなど世界的な大学もあるが、民間の語学学校も無数にある。バンクーバー市内の人口は60万人程度。朝のラッシュアワーといっても、東京のそれには比べるべくもない。全くよりどころがない場所で心の安寧を感じていると、つくづく自分は一箇所にとどまらずにフラフラと風になびきながら暮らしていくのがあっているのだな、と思う。

バンクーバーから郊外に出れば、山や水がある。ジョギングに限らず、ハイキング、マウンテンバイク、カヤック、スノーボード、ありとあらゆるアウトドアスポーツができるそうだ。バンクーバーから150kmも北上すればウイスラーのゲレンデがある。週末には、バンクーバーの北部にある1200mほどの山に弾丸登山をした。バーベキューパーティにも招待された。「バーベキュー場」は日本の東京あたりにあるそれとは違って、広々している。
日常の中にも、非日常の中にも自然がある。暮らすならこういう場所がいい、と半分本気でそんなことを考える。

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