手荷物管理能力

5月末から北米に出張に出ていた。軽量トラベラーを諦めて、必要なものを持ち運ぶと現地でいつものルーティンを崩さないで済むことがわかった。一方でここ数年、荷物のモジュール化とシステム化を進めている。スマホに脳が毒されたか、一つのことに注意を払うのが年々困難になっており多動性症候群の様相を呈し始めている。玄関先に座り一旦弁当をその脇に置いて靴紐を結ぶ。そのまま弁当を置いて家を出て怒られる、というようなことがよくある。仕事でも私生活でも、「人のミスは責めても仕方がない、ミスは構造的な欠陥から起こるのだ」というのが持論である。忘れ物をしないような仕掛けが必要である。

モジュール化とは、同じ目的の持ち物をひとまとまりにしておくという考え方だ。以下のような分類で、ポーチやネットに荷物を整理してからパッキングや保管をしている。
「衣」:着替え
「医」:洗面道具や常備薬
「電」:モバイルバッテリー、ケーブル、アウトレット
「仕事」:仕事用の道具や書類
「運動」:靴や着替え

システム化とは、言い換えればルーティンである。「1が発生したら、2が発生する」というように、手続きをリニアにプログラミングしておくと抜け漏れが相当程度防げる。

①保管場所固定:荷物は須く決まった場所に保管する。家で保管する時、スーツケースの中での場所、ホテルについてからの荷物の展開、基本的に全て同じルールで対応する。山行ではバックパックの底面からアクセスできる気室に、雨具と救急用品を入れておくなど、決まった場所に決まったものを保管しておくと必要なものがすぐに取り出せる。

②リスト化する:いきなりパッキングをせずに、先にスマホで荷物リストを整理する。何回か旅行や出張に出れば類似の行動パターン(日数、気候、現地での行動)ができるので、その時のリストを使い回す。寒冷地に1週間の出張ならこれくらいの荷物があれば足りる、という感覚ができる。

③並べる:リスト化した荷物を、一旦床の上に並べてみる。現物を視覚化すると、不足や過剰を発見しやすい。

④詰める:リスト、並べる、を経て、やっとスーツケースやバックパックへの詰め込みが始まる。モジュール化しておくと限られた荷室を効率的に使うことができる。着替えを洗濯ネットに分類してからスーツケース等に入れて旅行に出る。スーツケースの中で混同しないし、帰宅後はそのまま洗濯に出せる。

⑤相部屋禁止:違う目的のものを一つのモジュールに混載しないことで、必要なものがすぐ見つかるようになる。また、一つのポケットには一つのものしか入れないということを決めておくと、スマホを取り出したときに鍵が一緒に出てきて落としてしまうというようなことが防げる。

改めて書き出しみると、結構面倒なことをしている。
ここまでしないと自分は自分の手荷物を管理できない、という半可の現れである。好意的に見れば、それくらい高頻度で出張や旅行に出ていて必要に迫られての防衛策といえる。あるいは、心のどこかでパッキングという作業が好きなのかもしれない。

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